どうも、doaquaです。
いきなりですが
皆さまベルリン式ナチュラルシステムというのをご存じでしょうか?
最近水槽が不調なせいで、いろいろな飼育方法について調べているのですが、その中で気になる飼育システムを発見致しました。
気になる飼育方法、それがベルリン式ナチュラルシステムです。
ベルリン式ナチュラルシステムとはサンゴを中心に飼育する水槽向けの水槽管理方法らしいのですが、それがとても素晴らしいらしいらしいのです!!
ついついらしいも一回多く言っちゃいますよそりゃあ。
というわけで、今回のテーマは
『サンゴ飼育にベスト?らしいベルリン式の水槽管理システムについて』です。
- ベルリン式の水槽管理とはいったいどんなものなのか?
- ベルリン式水槽管理を行う為に必要な機材は?
- ベルリン式で飼育する為にかかる費用は?
などについて一緒に見ていきましょう!!
メインフィルターの外掛けフィルターに限界を感じてきました
すいません、まずベルリン式システムの説明に入る前にうちの水槽の現状について聞いて下さい。
あっ、興味ない方はビューンと飛ばしてしまって下さい(笑)
うちの水槽は60㎝水槽のハイタイプです。
これです。
GEX お一人様1点限り グラステリア600水槽 (60×30×40)
60cm水槽(単体) ジェックス
そしてメインのフィルターはこちら
カミハタ 海道河童 フィルター(大) 水槽用外掛式フィルター
(画像クリックでチャーム販売ページへ)
そしてサブフィルターはこれ
GEX 本体 コーナーパワーフィルター F2
45~60cm水槽用水中フィルター(ポンプ式) ジェックス
この60㎝水槽に対して、外掛けフィルターと水中フィルターの二つのフィルターで濾過をしております。
このフィルター達はとても良く働いてくれていますし、静かだし、結構気に入っているのですが、最近気になることが…
それは、もしかしてこの2つのフィルターでは濾過能力不足ではないか?
ということです。
一般的に外掛けフィルターは外部フィルターに比べて濾過能力が低いと言われているので、初めから少し心配はしていたのですが、最近顕著に濾過不足の様子が表れてきました。
濾過不足と思われる症状
- ガラス面に茶ゴケが良く生える(水槽立ち上げ初期に見られるような茶ゴケです)
- 水槽の水が若干茶色に濁っている
- サンゴのポリプがほとんど開いていない
総じて、茶ゴケにやられている様子です。
フィルターによる濾過不足が原因と完全に断定はできませんが、最近のフィルターの汚れるスピードの早さ、茶ゴケの生えるスピードの早さから考えても、その可能性は否定できません。
これは早急になにか手を打たねばっ!!
外掛けフィルターに限界を感じてきたという背景がありまして
という事で、最近はなんとかうちの水槽の調子を取り戻す方法はないかと水槽の濾過について調べていました。
そこでベルリン式ナチュラルシステムにたどり着いたということですな。
前置きが長くなりましたが
さっそく、ベルリン式の水槽管理システムがうちの水槽に適用できそうなものなのか、について考えながら内容について見ていきたいと思います。
ベルリン式ナチュラルシステムとは?
まずは基本であるベルリン式ナチュラルシステムとはなんぞや?どういったシステムなの?
というところから見ていきたいと思います。
まず、ベルリン式ナチュラルシステムを一言で表すなら
フィルターを一切使用しない水槽管理の方法
ということになります。
ベルリン式ナチュラルシステムでは、通常のシステムで設置するフィルター類(外部フィルター、底面フィルター、上部フィルター、外掛けフィルター、水中フィルターなど)は一切設置しません。
これを聞くと、フィルター類を設置しないのに、水槽の中の汚れや、生物に有害な物質はどうするの?
という疑問が生まれると思います。
ベルリン式ナチュラルシステムでは汚れや生物に有害な物質のほとんどをプロテインスキマーという機材で除去することになります。
このプロテインスイマーという機材がこのシステム最大のキモとなります。
プロテインスキマーもいろいろなグレードのものがありますが、ベルリン式ナチュラルシステムに使用するものはグレードが高く(すなわちお値段も高いです)汚れや有害物質の除去機能が高いものでなければいけません。
なにせ、このプロテインスキマーでほとんどの汚れや有害物質を取り除かなければいけませんからね。
しかし、プロテインスキマーだけでは完全に汚れや有害物質を取り除くことができませんので、プロテインスキマーを補完する補助的な役割として、ライブロックのバクテリアによる浄水機能と、ライブサンド(バクテリアが住み着いたサンゴ砂)という底砂のバクテリアによる浄水機能を利用することになります。
ここまでを簡単にまとめると
- まずベルリン式ナチュラルシステムとはフィルター類を一切使用しないシステム
- フィルターを使用しない為、グレードの高い(汚れや有害物質の除去機能が高い)プロテインスキマーという機材を設置して、汚れや生物に有害な物質を強力に取り除く必要がある。
- プロテインスキマーですべての汚れや有害物質を取り除くことはできないので、ライブロックやライブサンドを沢山入れて、バクテリアによる浄水機能を利用する。
ということになります。
まぁ簡単に説明するとベルリン式ナチュラルシステムとは、こういった水槽管理システムのことです。
プロテインスキマーとは?
ところでプロテインスキマーって何?どんな機材なの?
と思った方もいると思いますので、次はプロテインスキマーについて説明したいと思います。
プロテインスキマーとは水中のタンパク質や汚れを取り除く機材です。
見た目はこんな感じです。
プロテインスキマーの仕組みについて
プロテインスキマーの仕組みについて説明します。
上の画像と一緒に確認していただくと想像しやすいかもしれません。
- 筒状になっている本体の下部分からエアーレーション(エアーリフト式)もしくは強い水流(ベンチュリー式)で微細な泡を大量に発生させます。(本体の半分程度は水に浸かった状態)
- そうすると筒の中が微細な泡で満たされます。
- 発生させた大量の微細な泡の浮き上がる力によって、タンパク質や汚れが泡と一緒に浮き上がります。
- その汚れた泡を本体上部についているカップに集めることによって水槽内からタンパク質や汚れを除去することができます。
といった仕組みとなっています。
高機能なプロテインスキマーとはつまり、この微細な泡の発生能力が高く、筒が大きく、効率よく汚れを集められる形状、をもったものということになります。
通常のフィルターを使用した濾過とベルリン式の濾過の水槽に与える影響の違いについて
通常のフィルター濾過を使用している場合と、フィルター濾過を使用せずプロテインスキマーのみで濾過している場合(ベルリン式)、水槽内の状況はどう違うのかについて説明したいと思います。
ここでは私たちが苦手な水質成分についての話が出てきます。
濾過方式の違いによる水槽への影響を理解するために避けては通れない説明なのです(;・∀・)
できるだけ分かりやすく書きますので、是非読んで理解して下さい。
まずは説明を読む前に覚えておいてほしい成分があります。
それはアンモニアと硝酸塩です。
アンモニアとは
説明するまでもないかもしれませんが、海水魚やその他生物の排泄物から発生する有害物質です。
海水魚にとってももちろん有害ですし、サンゴにとっても有害です。
水槽内からできるだけ速やかに除去したい成分です。
当然ですが海水魚の数が多ければ多いほど水槽内に大量に排出されることになります。
硝酸塩(しょうさんえん)とは
海水魚にとってはほぼ無害な成分で毒性はかなり弱い、
しかしサンゴにとっては少量でも猛毒となる。
特にミドリイシなどのハードコーラルを飼育する際にはできるだけ0にするのが望ましい。
このアンモニアと硝酸塩が通常のフィルターによる濾過とベルリン式濾過の違いを分ける重要な成分となっています。
通常のフィルター濾過
通常のフィルターを使った濾過システムは海水魚を飼育するのにはとても適しています。
通常濾過で使用するフィルターには好気性細菌というバクテリアが大量に住み着きます。
こいつらは非常に優秀で、海水魚の排泄物から発生する有害なアンモニアを一瞬で海水魚にとって無害である硝酸塩に分解することができるのです。
しかも、そのキャパシティはかなり高く、大量のアンモニアを一瞬で分解することが可能です。
ここで問題なのが、アンモニアの分解によって生成された硝酸塩は分解することができないということです。
硝酸塩を水槽外に出す為には水替えをするしかないのです。
海水魚にとって硝酸塩はほぼ無害なので、硝酸塩がある程度水槽内にあっても問題ありません。
通常の水換えレベルの排出で十分に対応可能です。
しかしここで影響を大きく受けるのはサンゴです。
サンゴにとって硝酸塩は猛毒ですから、アンモニアが分解されても硝酸塩が残ってしまっては意味がないのです。
サンゴにとってはアンモニアも硝酸塩もどちらも猛毒なのです。
上記からわかるとおり、通常のフィルターを使用した濾過システムでは、アンモニアを大量に硝酸塩に分解することができるので、海水魚にとってはとても理想的なシステムとなりますが、アンモニアを分解した結果として硝酸塩が大量に水槽内に生成されることになるので、サンゴ飼育には向かないのです。
うーんジレンマですなー。
ベルリン式ナチュラルシステム
上記通常のフィルターを使用した濾過システムに対してベルリン式のシステムは、好気性細菌が大量に住み着くことになるフィルターをあえて一切設置しません。
このことによって、アンモニアが硝酸塩に分解されるということが非常に少なくなりますので、サンゴにとって住みやすい環境になるのです。
しかし、ここでそもそもの問題が発生します、
そうです、アンモニアを分解する能力が極端に低くなるという問題です。
海水魚を飼育している場合は嫌でもアンモニアは発生することになりますが、ベルリン式システムではこの有害なアンモニアを処理する能力が極端に低くなるのです。(プロテインスキマーの性能がいくら高くてもアンモニアを処理する能力は低い)
このことからわかる通り、ベルリン式システムでは海水魚の数をかなり少なくする必要があります。
それこそ60㎝水槽にスズメダイ1匹~2匹が限界といった感じです。
サンゴを飼育するという点においては理想的なベルリン式システムですが、その代償として海水魚の数は最少にするしかなくなります。
海水魚とサンゴの同居は非常に難しい
いやー、ここまで調べてみましたが、やはり海水魚とサンゴの同居というのはやはり難しい(無理ではないと思います)ということが分かりました。
海水魚を飼育する為にはフィルターがかなり有効かつ必要不可欠だが、フィルターを設置することによってサンゴに有害な硝酸塩が生成されてしまう。
利害が完全に相反してしまうのですね。
私は海水魚もそれなりに楽しみたいと思っていますので、やはりフィルターを一切設置しないベルリン式システムを採用する気にはなりませんね。
海水魚にそれほど興味がなく、サンゴ中心の水槽を作るのであれば間違いなくベルリン式システムを採用すれば良いと思います。
私はフィルターは外しませんが、サンゴもそれなりに飼育できる環境を作れるようにハイブリッドな仕組みを採用できればいいなーと考えています。
何かいいアイデアや良い方法があれば是非教えて下さい。
サンゴ中心に飼育するので、ベルリン式システムを採用したいというそんなあなたの為に!
ベルリン式システムの作り方をご紹介します。
ベルリン式システムに必要な機材、アイテム、その費用
ベルリン式システムを採用してサンゴを中心に飼育したいという方へ、必要な機材とアイテムをご紹介します。
まずはプロテインスキマー
オーバーフロー水槽か、通常の水槽かによって設置できるプロテインスキマーに違いがあります。
オーバーフロー水槽とは水槽の下に小さい濾過水槽があるタイプの水槽です。
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オーバーフロー水槽では、その濾過水槽にプロテインスキマーを設置します。
オーバーフロー水槽用のプロテインスキマーならこちらです。
プロテインスキマー HS-400 内部式モデル
こちらは強力なプロテインスキマーです。水量300Lまで対応可能です。
価格は72,000円です(2017年8月現在)
かっこいいけどちょっとお高いですね。
オーバーフロー水槽ではない通常の水槽でも、ベルリン式システムを採用することはできます。
こちらの方がリーズナブルにベルリン式システムを作ることができます。
プリズム スキマー プロテインスキマー
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水槽のふちに掛けるタイプのプロテインスキマーです。
これなら濾過槽がない通常の水槽でも設置することができます。
そして説明を読むと意外にも強力であることがわかります。
こちらのプリズムスキマーは水量60Lまでであれば対応可能です。
ということは60㎝水槽であれば、こちらの外掛けタイプのプリズムスキマーでベルリン式システムを作ることができそうですね!
価格は15,200円です(2017年8月現在)
フィルターを設置しないことを考えるとかなり安いですね。
うーん、水槽2台目を考えちゃいます!!( *´艸`)
もう少し大きな水槽、またはプロテインスキマーの能力に余裕をもって運用したいということであればこちら!
プリズムプロ デラックス プロテインスキマー
こちらは上記で紹介したプリズムスキマーのデラックス版となっております。
外掛け式のプロテインスキマーなので、お手軽さは残しつつ強力になっています。
濾過能力は水量600Lまで対応となっています。かなり強力ですねー!
価格は29,800円です(2017年8月現在)
ライブロック
ベルリン式システムに必要なもの、その2はライブロックです。
プロテインスキマーで取りきれなかった汚れをライブロックに住みついたバクテリアによって分解してもらいます。
通常のフィルターを使用した濾過システムよりも多めにライブロックを入れる必要があります。
その目安は、水槽に対して1/3程度です。
60㎝水槽であれば、こちらの8キロぐらいでいいと思われます。
価格は19,950円です(2017年8月現在)
ライブサンド
ベルリン式システムに必要なもの、その3はライブサンドです。
こちらもライブロック同様にライブサンドに住み着いたバクテリアに、プロテインスキマーによって取りきれなかった水槽内の汚れを分解してもらいます。
通常のフィルター濾過システムよりも厚めに敷く必要があります。3センチ~5センチ程度の厚さになるように敷きましょう。
60㎝水槽であれば、こちらの6リットルを購入すれば約3センチの厚さにライブサンドを敷くことができます。
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価格は3,650円です(2017年8月現在)
ベルリン式ナチュラルシステムを作る為に必要な費用は?
水槽などは省いて計算していますが、上記必要なアイテムだけで、60㎝水槽を想定して考えると。
プロテインスキマー
15,200円
ライブロック
19,950円
ライブサンド
3,650円
合計
38,800円
となります。
ここに水槽等の基本的なアイテムを加えると
水槽
約4,500円
ヒーター
約2,500円
人工海水の素
約3,000円
その他水温計、比重計など
2,000円
合計
50,800円
となります。
大体普通のフィルター濾過システムで水槽を立ち上げる場合とそんなに変わらないですね。
私が立ち上げた通常のフィルター濾過システム水槽の立上げの様子について、記事にしていますので、興味がある方は読んでいただければありがたいです。
まとめ
記事を書いていたら
ついつい楽しくてこんなに長い記事になってしまいました。すいません。
ここまでたどり着いたあなた様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後まで読んでいただいてありがとうございます!!
それではまとめます
通常のフィルター濾過システム
通常のフィルター濾過システム(外部フィルター、底面フィルター、上部フィルター、水中フィルター、外掛けフィルターなどを利用した濾過システム)を採用している場合、アンモニアを分解する能力が非常に高い為、海水魚を飼育するのには優れているが、そのアンモニアを分解する際にサンゴにとって有害な硝酸塩(しょうさんえん)を生成してしまう為、サンゴ飼育には向かない。
ベルリン式ナチュラルシステム
フィルターを一切設置しない為、アンモニアが硝酸塩に分解されるということが非常に少なくなるので、サンゴ飼育の環境作りにはとても優れているが、そもそもアンモニアを分解する能力が低くなる為、海水魚飼育には向かない。
ベルリン式ナチュラルシステムを採用した場合、飼育可能な海水魚の数が極端に少なくなる為、注意が必要である。
- 海水魚をいろんな種類飼育して数もそれなりに飼いたい。
- 海水魚の飼育を楽しみたい。
そんなあなたは、通常のフィルター濾過システムを採用しましょう!!
- サンゴを中心にした水槽を作りたい
- サンゴの飼育を思いっきり楽しみたい
- 海水魚はほんのちょっとでいい(もしくはいなくてもいい)
そんなあなたは、ベルリン式ナチュラルシステムを採用しましょう!!
私は海水魚の飼育も楽しみたい派なので、今回はベルリン式ナチュラルシステムを採用するのは見送ることにしました。
しかし2台目の水槽をベルリン式で立ち上げてサンゴ水槽を作るというのは良さそうですね( *´艸`)うひひ
夢が広がります( *´艸`)うひひ
それでは、最後まで読んでいただき有難うございました!ベルリン式ナチュラルシステムについてでした。
今回は以上となります。
次回も宜しくお願いします!
ではではではー
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